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グローバル経済下における企業(2)
経済がグローバル化するなかで、我が国の労働者や企業がどう対処すべきであるかは、はっきりしている。
 我が国で働く人びとは、すべからく低賃金国の労働者が太刀打ちできないスキルを身につけるよりないのです。自己啓発と熟練によって新しい知見や能力を獲得しなければなりません。経済発展を遂げた結果として、為替レートによって換算して比較すれば、我が国の賃金水準はずいぶん高価なものになります。その高い水準に見合う労働の成果を上げることを求められます。
 これに即応して、企業側としては他にはない新製品や新製法の開発に取り組み、より高度で新しい製造工程を生み出していかなければなりません。そのうえで工業所有権制度を活用したり、ノウハウの秘密保持に万全を期したりなどによって、開発の成果をしっかりと守っていくことです。
 そうはいっても、年月を経るうちに、新しい技術や工程もやがては海外の生産現場に普及していく可能性があります。そのため技術や工程の高度化の努力は不断に継続していかなければなりません。将来を見据えてイノベーション(技術革新)を現実化していく以外に、我が国の企業も経済も確固として存立する道はないのです。これは終わりのない道で、たいへんきびしくかつキツイもののように見えます。
 しかし悲観する必要はありません。概していえば現在までのところ、我が国企業はこの点においても素晴しい成果を上げているのです。
 経済産業省の調査によると、日本企業が世界の市場においてすでに75%以上を占めている商品(2006年時点)が数々あります。
 年間売り上げが8000億円を超える大型の最終製品では、デジタルカメラと複合プリンターが有名です。
 年間売り上げを約1000億円以上にまで下げ電子部品に広げると、リチウムイオン電池の正・負極材、液晶ディスプレイの偏光板保護フィルム、1.8型HDD(ハードディスクドライブ)、記録型DVDドライブ、積層セラミックコンデンサなどがあります。
 年間売り上げを数100億円以上にまで下げ共通的部材に広げると、カーボンファイバー、化合物半導体、透明電極用材料、メモリテスタ、半導体封止材などがあります。
 これらの商品の開発については、それぞれの企業においてたゆまざる努力の積み重ねがあったに違いありません。当然のことながら研究開発は将来の成功を必ずしも約束するものではありません。いっぽうで現在時点において“研究開発費”という膨大なコストを生みます。現代の企業経営において、この問題にどう対処するかは、たいへん悩ましくも重要な課題です。
 これがいま「技術経営論」 Managemento of Technology という学問体系に整理されつつありますが、このことはまた別の機会に譲ることとして、次項では「労働者派遣制度」について考えます

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